Hiroko Murayama

お弁当箱

昔、祖母は車のシートを縫う工場で働いていて、
工業用ミシンのダダダーの音が響く作業場は、私の遊び場でした。



お昼になると、ブリキの箱をひっくり返した手作りの温め器で、
アルミのお弁当箱を温めていた記憶があります。



温かいご飯は、もちろんおいしかったのだけれど、
ほんのり温まったお弁当箱を持つのが、
何より、うれしかった。